故高野之夫 豊島区長、税金を使わず区役所を建てる。“文化”をキーワードに区政を立て直すーお別れ会に2000人の区民

故高野之夫 豊島区長、税金を使わず区役所を建てる。“文化”をキーワードに区政を立て直すーお別れ会に2000人の区民

一昨日6/8に、豊島区立芸術文化劇場で前高野之夫豊島区長のお別れ会が開催されました。高野区長は、地方自治の世界では知らぬ人がいないほど経営手腕を発揮した名リーダーです。1999年から2023年まで24年間区長をされ、数々の実績を残されました。

その第一が税金を1円も使わず、新区役所を建てたことです。駅から10分の小学校跡地を再開発して、区役所と住宅と店舗を合築しました。住宅や店舗を分譲して建築資金を調達するという再開発組合方式ですが、区役所の上が住宅というのは全国的に非常に稀なケースです。

第二に駅から3分の旧庁舎跡地を73年の定期借地権で貸出し、民間活力で再開発し、その複合ビルの中に豊島区立芸術文化劇場を開設しました。

それ以外にも西口にグローバルリングと呼ぶ広場をつくったり、文化による街づくりを徹底したことと、若い世代が住みやすい子ども政策を打ち出したことです。

高野区長とは1999年の初当選以来のおつき合いで、長年に渡って親しく交流してきましたが、ある時
「豊島区の玄関の池袋は、汚い・暗い・怖いと言われてきたので、この印象を払拭することが第一でした」
「消滅可能都市といわれた時はショックだったが、文化と子育てしやすい環境をつくり、若い人や子どもたちが安心して暮らせることが目標」
「池袋駅3分の旧区役所跡地は、売却すれば区民感情が許さないと思い、定期借地権にして民活したのです」と話されました。
豊島区を愛し続けた名区長、名経営者でした。

お別れ会の最後は、小林研一郎指揮の区民オーケストラの演奏でしたが、最後の曲が「威風堂々」。誠に、故高野之夫区長を送るにふさわしい曲でした。

永年の友情に感謝しつつ、心からのご冥福をお祈りしました。