JR中央線でグリーン車の営業運転が始まる。都市計画決定されている中央線三鷹ー立川複々線化の事業(総武線が延長される)は、どうなるのか?
3/15から中央線グリーン車が営業運転を始めます。今は試行期間です。これらの状況を受けて、1/21に多摩地域各市町で構成する中央線三鷹ー立川間立体交差複々線促進協議会と多摩地域都市モノレール建設促進協議会の合同幹事会が開かれ、古川公毅・都元建設局長と私がお招きをいただき、過去の歴史やこれからの展望についてスピーチしました。会議には役員市11市から、合計20名ほどの都市計画部門の部課長が参加しました。
古川公毅元建設局長は、都の交通企画課長・道路建設部長・建設局長を歴任した現場の第一人者で、中央線三鷹ー立川間連続立体複々線事業が具体化した昭和56年の鈴木俊一知事時代から完成した平成22年までの経過を時系列に従って説明しました。大学の都市工学の授業で聴くような重厚な内容でした。
私は武蔵野市長22年の経験から、地元市長としてどのように都や国やJR東日本旅客鉄道㈱に働きかけたかという視点で話しました。
① 昭和62年4月に国鉄が分割されて民営化され、JR各社がスタートしました。最初の具体化のきっかけは昭和63年12月にJR東日本旅客鉄道㈱に、武蔵野市長の私が中央線三鷹ー立川間連続立体複々線事業の陳情にお伺いしました。
② 内容は都から打診が近々にあると思われますので、必ず打ち返して協議にのってくださいとお願いしました。
③ このことは、鈴木知事や水村一郎都議会自民党幹事長(当時)にも打合せ済ですとお願いしました。
④ 数日後、12/27の御用納めの前日に、横田副知事(当時)が JR東日本旅客鉄道㈱の本社を訪れて、松田常務(当時)と会談をしました。
⑤ 翌年、平成と年号が変わった1月に、松田常務が都庁を訪問。鈴木知事の前で調査を始めるとことに同意しました。
⑥ 鈴木知事は平成元年の知事査定で事務方に調査経費を計上するよう指示し、トップダウンで1億円の調査費を計上した。
など、大きな転換点には政治が果たす役割が大きいことなどを話しました。
当初の目標は三鷹ー立川間連続立体交差複々線でしたが、地価の高騰や東京の一極集中の懸念などから複々線は計画線として計画決定はするが、まず現在の中央線を高架化する事業を先行することになりました。平成6年に計画決定、平成11年に事業認可、平成22年に完成しました。しかし、複々線化のための増線事業は計画決定したままです。以来15年の年月が経過しました。
そして3/15グリーン車の営業運転が始まると、一列車当たり2階建二輌増結で200名以上輸送力が向上するので、直ちに複々線という訳には行かないだろう。これは需要が先か投資が先かの問題だが、投資が先行した事例は、つくばエクスプレスや多摩都市モノレール等もあるので、多摩の発展を見据えて、着実に研究を進める必要があると申し上げました。