菅直人元総理の原発反対。では、どうすれば日本の電力は安定的に提供できるのですか?75%を占める化石燃料を、今まで以上にどんどん燃やせというのでしょうか
武蔵野市議会議員の応援で、菅直人元総理が「原発反対」を主張しています。菅直人氏は元総理でかつ現職の衆議院議員で立憲民主党の最高顧問だという。責任ある立場なので批判します。
電力源に原発の占める割合は、現在5%程度。水力10%、太陽光等再生可能エネルギーが10%、残り75%が液化天然ガス(LNG)や石油・石炭等の化石燃料による火力発電です。福島原発事故以前は水力10%、原子力30%、火力が60%でした。当時と比較すると化石燃料の占める割合が15%増えています。
エネルギーは戦略物資なのでロシアもウクライナ侵略戦争の行方を見て、高く売ろうとします。石油産出国のOPECも需給バランスを見て、高値を維持しようとします。これが電力代高騰の原因です。日本だけでなく、世界中で起きている現象です。
現在5%を占める原発を停めるとその分、さらに火力発電を増やさなければなりません。
菅直人元総理に申し上げます。「原発反対」などと口当たりの良いことを言うならば、合わせて
① 燃料費高騰による電力の値上げは、止むを得ない。
② その結果CO2対策が遅れても、これもまた止むを得ない。
と主張しなければ、つじつまが合いませんよ。
私は昨年の7月と今年の1月に福島原発事故の現場を視察しました。未だ帰還出来ない方が大勢いらっしゃるが、しかし着実に除染は進んでいると実感しました。
また、昨年の12月に千葉県富津市のJERA(東京電力と中部電力の合弁会社)でLNGによる最新式の火力発電を視察しました。516万kWという原発5基分の発電量があります。首都圏の1500万世帯分だといいます。LNG船専用ドックがあり、半地下のLNG貯蔵タンクが10数基置かれていました。しかし、この膨大な量のLNGが1週間分にしか当たらないと聞いて、もしこの機能が停止したらと考えると慄然としました。
菅直人元総理に重ねて申し上げます。票目当ての甘い言葉やスローガン政治ではなく、リアリティのある政治。正しい情報で国民とともに歩む政治を作りませんか?