5/21のブログに武蔵野市と小金井市の若手市議会議員と憲法勉強会を行ったと書きましたが、それを読んだ市民から第九条の戦争の放棄はどのように勉強したのかと問い合わせがありました。
昭和22(1947)年11月3日に公布された日本国憲法の第九条には次のように記されています。
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する 手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。
この条項の解釈をめぐって、自衛隊は違憲、日米安全保障条約等の集団的自衛権は、とんでもないという論議が過去77年間繰り返されて来ました。そこで、私は昭和27(1952)年4月発効の日本と連合国との間に締結されたいわゆるサンフランシスコ平和条約(日本国との平和条約)と昭和37(1962)年12月の最高裁判決を引用して、日本国の自衛権は個別的と集団的とに関わらず、保障されていると語りました。
この条約は敗戦国日本が7年間の占領期間を経て連合国と締結し、主権を回復して独立国となった条約であります。その条約の第三章〔国連の基本原則、自衛権〕第五条(a)(b)省略
(c)連合国としては、日本国が主権国として国際連合憲章第五十一条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権利を有すること及び日本国が集団的安全保障取極を自発的に締結することが出来ることを承認する。
と書かれております。
第二は、昭和37(1962)年10月の最高裁判決です。立川市の砂川基地反対闘争をめぐっての判決ですが、次のように判示しています。
判決要旨
一 、 憲法第九条は、わが国が主権国として有する固有の自衛権を何ら否定してはいない。
二 、 わが国が、自国の平和と安全とを維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置を執り得ることは国家固有の権能の行使であって、憲法は何らこれを禁止するものではない。
三 、 以下省略
サンフランシスコ平和条約も最高裁判決も、何れも日本国憲法が制定された後のことですので、日本国憲法第九条があることを前提にしたものであり、我が国に自衛権があることは明解です。しかし、このような歴史的経過を知らない国民が憲法を読むと、自衛権が否定されていると読めるので、憲法第九条とりわけ第二項は改定すべきだと思いますと語りました。
さらに、自衛権の発動の条件と態様は、個別法で規定するべきものだと理解しています。いつか機会があったら、皆で勉強しましょうと結びました。